アジア通貨危機時の為替変動

皆さんは、新興国の通貨は為替の変動幅が大きくてリスクが高いという話を聞いたことがあることでしょう。それでは、どのくらい変動幅が大きいのか、1997年のアジア通貨危機時のデータを検証してみることにしましょう。まず、1997年1月の通貨価値を100とした場合、1998年1月のインドネシア・ルピーの通貨価値は20になっています。つまり、インドネシア・ルピーの通貨価値は1年間で4分の1になってしまったということになります。

新興国通貨の為替変動幅

同様に、インドネシア・ルピーほど極端ではありませんが、タイ・バーツと韓国・ウォンの通貨価値も50近くとなっていて、1年間で通貨価値が2分の1になっています。そして、アジア通貨危機は、実際には1997年7月以降に起こっていますから、実際には半年でこれだけ通貨価値が下がってしまったということになります。これら3国は、その後IMFの支援を受けて安定を取り戻しますが、新興国通貨にこれだけの為替変動幅があるということは理解しておいたほうが良いでしょう。

通貨下落とインフレ率

また、アジア通貨危機時には、これら諸国のインフレ率が急騰しています。すなわち、インドネシアでは、1%程度だったインフレ率が11%近くまでになり、タイと韓国でも、4%程度だったインフレ率が10%近くにまでなりました。つまり、通貨下落によって輸入品の価格が上がり、これが物価上昇をもたらすこととなったのです。ですから、通貨下落率の最も大きかったインドネシアのインフレ率が最も上昇することになったわけなのです。

為替は現金を用いないで決済を行うことをいいますが、一般的には異なる通貨どうしの交換の意味で用いられています。